金田んち

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アンパンマンミュージアム凄かった

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今年4月、福岡中洲にオープンしたアンパンマンミュージアム。友だちや職場の人からの評判が良かったことと、平日に休みがとれたので家族揃って行ってみた。
アンパンマンミュージアムという施設名を聞いて、アンパンマンがてんこ盛りで子どもだけは喜ぶ空間なんだろうなと思ってたが、実際に行ってみると、そこは子どもだけじゃなく親も満足出来る施設だと思った。

家に帰って嫁から
「楽しかったね♪」
と言われたので
「うん!それにしても親も子も満足出来るようなあの導線のつくら」
「はいはい、なに様?誰目線?で、楽しかったん?」
「はい。俺目線で楽しかったです」
「じゃあ良かった。また行こうね!」
あー何でも聞いてくれたあの頃の愛情はいづこへ。。全然話を聞いてもらえなかったので続きをこうして書くことにした。
憂さ晴らし的な文章を公開するなんてろくでもない奴だとは分かってる。だがしかし!続ける。

アンパンマンミュージアムは、地下鉄中洲川端駅から直結してる博多リバレインという建物の5・6階に、2層フロアで造られてる。
なんかイミニミマニモとかいう、きゃりーぱみゅぱみゅレベルでアナウンサー泣かせの施設も同じ建物に入ってるらしいがそっちはよく知らん。

ミュージアムの入場券売り場は5階にあり、入場ゲートは売り場から続く階段を登った先の6階に設けられている。
施設利用のスタートは必ずそこからになるよう設計されてて、俺の感想としては6階で親の欲求を満たし、5階で子どもの欲求が満たされるような構造だと感じた。

6階はアンパンマン号や色んなキャラの家みたいな遊びもので子どもの興味を惹き飽きがこないようにしつつ、親の望むシャッターチャンスのスポットを多く提供することで、親の欲求を満たすフロアだった。
どういうことかと言うと、子どもを話題の場所に連れて行った時、親は写真を撮りたがるものだ。
記念として残すのはもちろんだが、撮影した写真をフェイスブックなんかで友人知人に公開したり、友人や職場の同僚に見せるためでもある。とにかくイイね!が欲しいのである。
このフロアはそういう親の写真撮影欲求を満たせる造りになっていた。

具体的には、ゲートを入ってまず待ち受けるのが記念写真撮影だ。
普通こういう施設なら、撮影の場所は施設内のメインスポット的な場所になるんだろうけど、ここでは初っ端がそのスポットになっていた。Gスポットではない。

撮影場所の壁にはアンパンマンの顔。露店で売ってるお面のバカでかいようなのがくっついてて、その前で家族揃っての撮影である。
強制ではないがほとんどの客はまずそこで並び記念撮影をする。
あの顔がアンパンマンでなく顔なしだったらゾッとするくらいのデカさだ。

撮ってくれるのは、子ども写真館とかで働いてそうな、子どもの視線をカメラに向ける術を極めた2人。
1人はおもちゃや言葉で巧みに子どもの視線をカメラ側に誘導し、もう1人はシャッターチャンスを逃さないよう待ち構え、施設側のカメラで何枚かと、持参したスマホやデジカメで何枚か撮影してくれる。
おもちゃや撮影という言葉に惑わされてはならぬ。

だいたい1家族5分くらいだろうか、シャッターチャンスが来るまで粘り強く時間をかけて子供と接するから、時間はかかるが必ず良い写真が撮れる。
しかし、あのサービスは客が多くなってくるとどう捌いてるのかが気になる。

施設側のカメラで撮った写真は有料販売になってて、USJとかネズミーランドでアトラクション後に購入出来る写真のような、アンパンマンをテーマにしたフレームの中央に写真が埋め込まれたものだった。
有料分も持参したスマホで撮ったものも見たけどさすがプロ。
常時動く子どもの顔が、どちらで撮ったものもブレることなくしっかり正面を向いてて、素人の俺が撮るより断然良い写真が撮れてた。
しかも子供の表情は今から始まるミュージアムへの期待感と、施設に入ってすぐなので愚図りも疲れもない。写真撮影としては最高のタイミングなんだろう。絶潮期だ。

時間もかかるし写真を撮るテクニックもあるのだから、このサービス全体を有料にしても良さそうなものだが、その利益よりも綺麗に撮れた1枚の写真による口コミ宣伝効果の方が高いのだろう。
何せその1枚さえあれば、この先施設内で写真を撮らなくても、話やフェイスブックなんかで使う材料としては用を足すからだ。
一口に口コミとは言っても、どこの誰とも知らない人の「あそこは良かったよ」というネットで見つけたレビューよりも、知り合いがアップした「楽しかった」の方が信憑性が高いだろう。
さらに、うちの子も連れて行ってあげたいみたいな親としての競争心理みたいのも働きやすいだろうと思う。

最初の写真撮影が終わってフロアを進むと、テレビアニメや絵本の中の世界が再現された、アンパンマン号や色んなキャラの小さな家の遊び場に着く。
本来なら特殊運転免許が必要なアンパンマン号の運転をしてみたり、普段入室許可の下ることのない色んなキャラの家に不法侵入できて子どもたちは大喜びだ。

親には、許された不法侵入現場や無免許運転中の子どものスクープ写真を撮影する機会が続々と訪れる。
もうこのフロアだけでお腹いっぱいというほど写真撮影が出来るので、親としてその後この施設に望むのは、子どもが思う存分楽しんでくれることだけだ。おっぱい。

階段で下のフロアに進むと、アンパンマンショーをやってるステージやプレイスポット(砂場・滑り台・ボール遊び場)がある。
ショーでは、アニメのオープニングやエンディングテーマに合わせ着ぐるみアンパンマンや綺麗なお姉さんと一緒に踊り、プレイスポットでも存分に体を使って遊ぶことが出来るため、子どもの遊びたい欲求を充分に満たせるフロアになっている。

もしこのフロア構造が逆だと、真っ先に子どもが遊び疲れてしまう。前戯は本番の前にしなくちゃいけない。その順序は絶対である。

なので、シャッターチャンススポットに到達した頃には、子どもが愚図っていたり寝てしまってたりで写真を撮るどころではなくなってしまう。

結果、施設の利用感としては、良い写真がたくさん撮れた親も、たくさん遊んだ子どもも満足感が残る。
というような動線が作られていて凄い考えられた構造だなと思いました。

息子に感想を聞いてみると
「今日楽しかった?」
「うん!」
「どれが?」
「ぼーりゅー!」
こんなもんどえす。

蛇足になるが、ディズニーなんかでもやってるように飲食店で食べられるものは割高な料金ではあったが、アンパンマン関連のおもちゃや食事に使った子供用のお椀を持ち帰れるものもあった。
客側としては、おまけがついてくるため料金の割にはお得感があるし、施設側としては食事と物販をセットに出来ていて賢いやり方だなぁと感じた。

ちなみに飯を食うなら施設内より川端商店街の方が良い。ワンコインランチの定食屋やラーメン屋、無駄に安いサンドイッチ屋や玉子かけご飯のお店など珍しい店が沢山ある。
そして商店街を抜けた先にはみんな大好きアナルシティだ。

気を取り直して最後にひとつ注意点としては、地下鉄からアンパンマンミュージアムに行くための道中にプラレールショップがあること。
特に男の子はここに気づいてしまうとアンパンマンミュージアムのことなんて頭からすっ飛んでどっぷり遊んでしまうため、行きは目に入らないよう抱っこして目隠ししてミュージアムまでダッシュするのが得策だと思う。

帰りは疲れ果ててるから何とかなるものだ。