金田んち

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核がない

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あーなんもやりたくない。
働きたくもないし何か食べたいとも思わんし眠たいけど寝たくもない。
反逆者的に正当性ぶってるものに突っかかる気力もないし正義を振りかざす気概もない。
いつもみたいに何か読みたいとも思わないしテレビから流れる音声すら聞きたくない。
もう俺の核みたいなものは朽ち果てて核の周りにあった人間という箱が残ったに過ぎないんだろうか。
原因は分からない。
今日特別な何かが起こったわけではないと思う。いや、もしかすると何かは起こったかもしれないけど、その記憶ごと俺の中心に根付いてた俺がどっかいったのかもしれない。
そういやなんで俺は俺なんだろう。
別に俺は今こうしてなんか書いてる俺じゃなくてもいいはずなんだ。
それは別に反抗期の紋切り型である「好きで産まれたわけじゃない」みたいなエネルギッシュなものを含んでるわけじゃない。
もっとこう、諦観みたいなものに近いんだと思う。
俺が俺として、このまま俺という「人格」を維持していて良いのか、みたいな。そういう感覚である。
生きている意味というのが分からない。つよく死にたいと考えてるわけではないけど、俺の外観さえこの世に残れば中身がどうなろうと関係ないんじゃないかと思うことがある。
とりあえず外観が今の俺でありさえすれば、中身がだれにすり替わろうと会社も家庭もそんなに変わらないんじゃないかとさえ思う。
いや、職業にしても家庭生活にしても、見た目で何かを確立したというわけでは決してないんだけれど、それでも今の俺が俺じゃなけりゃ成り立たない何かがあるとも思えない。
俺が俺と関わる誰かや何かに関与したいという思いは大いにある。
けれど、他の誰かが俺に関与したいと思えるような何かを俺は内在していないし、何かがあると思わせているなら申し訳なく思う。
今の俺には核がない。