金田んち

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「できる人」と「できない人」についての雑感

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池田信夫 blog : 「できる子」は正解を考えないで空気を読む

読みました。内容への言及ではないよう!恥ずかしいなこれ。

「できる人」と「できない人」の本質的な差、たしかにそういうのってあるよなぁと思った。それが空気読むかどうかについては知らん。

つい最近の出来事のお話。俺は今事務職として働いてるので、リンク先の勉強が「できる」「できない」とは少し違うんですが、物事を脳内で処理する過程っていう面ではあんま変わらんのかなと思う。

先週のこと。

社内のある企画で大学の先生の意見を聞かなくちゃいけなくなって、いくつかの大学に先生方の兼業依頼を出さないといけなくなった。先生本人には予め話を通したうえでのことなので、形式的な書類の作成だけが残っているという状態。

俺はその書類の処理を任されて、任された時には処理期限がけっこうギリギリだったので、分かりましたスグに作って送ります、と書類を作っていたんだけれど、ふと内規を確認してみると、俺が送ろうとしている書類を作る担当が別の課だってことが分かった。

メール本文に直打ちして、みたいな簡単なやりとりとかだったら別に担当じゃない俺が請け負っても良かったんだけど、今回の場合は相手が大学という、ほとんど役所みたいなところなので、提出する書類もきちんと文書番号とって社印を押印してみたいな手続きが必要だった。
で、自分の課で担当出来るように内規を変えるにもあまり時間的余裕がないし、その文書番号というのが各課連番制なので、どうしても担当課に協力してもらわないと出来ないってことが分かった。

そこでその担当課の担当者と課長に相談に行った。こういう事情なので、文面の作成と内規の変更手続きは俺がやるから、それまでの手続きをやってほしい、と。面倒なら発送も俺がやると。まぁ実質お願いしたことっていうのは、俺が作って担当者に渡す兼業依頼文に文書番号を加えたものをプリントアウトして決裁を済ませ、社印を管理している総務課のチェックを受けた後に社印を押すという、10分もあれば終わるくらいの作業内容だったんだけれど。

で、相談後に早速担当者に書類のデータ一式を渡し、この書類はどういう意味のもので、という説明も一応加えた。

それから一週間。その担当者が俺の机にきたので、てっきり発送までやってくれて大学側から承諾の返信があったものだと思って「早かったですね」と微笑んだら
「はい。文書番号とったので後はお願いしても良いんですよね」と
ちょうどこの日に内規の変更が済んだのは別の話として、とりあえず俺の微笑を返してもらおうか
「これもらっても俺は社印押せませんよね。課が違うから総務でひっかかるでしょ」
どういうこと?と意味が分かっていないらしく
「だから、担当課じゃない俺は社印が押せないので、印鑑付きの原本をください」
あぁ、そういうことですか、と自分の机に書類を取りに。これで良いですか?と見せられたのは、決裁欄に印鑑が押してある「原本」。
こいつ馬鹿にしてるのかとも思ったけど、顔は真剣なのでおそらく素である。
「これを総務課に見せて、この(案)を消したものに日付と文書番号入れて社印を押した紙をく!だ!さ!い!」
「データはどこにあるんですか?」
「あんたも俺も同じもの持ってますよね?俺のはデスクトップにありますが!」
「あぁ…すぐやります」

頼んだ身としてはあまり責め立てるのもなぁと感じつつも。。
入社して何年も経ってる人なので、会社のシステムが分かってないわけじゃないはずなのに、お願いした目的が分からないみたいなんでイライラしてしまって。

俺が昔塾の講師をやってたときもリンク先で書いてあるような生徒がいたんですけど、その時やってた対処法は、説明の前にまず問題を見せるという対処法だったと思う。
たとえば現在完了の問題なら、今からこの()の中にhaveとか過去分詞を入れて現在完了を作ってもらうという話をして、ところで現在完了ってね、という説明に入る。
単純に順番を変えただけなんですけど、説明の後に問題を解くという構造がなかなか理解出来ない生徒には効果があったように思う。

まずこれから自分が解く問題に直面させ、その後にどうやったら問題が解けるのかを説明する。正しいボールの投げ方を教える前にまず投げさせてみるみたいなものです。

たぶん説明が先だと、その説明が何に作用するのか、実際に問題を解くときにどこが大事でどこを理解しないといけないのかっていうのが分からないんじゃないかなと思う。

俺の会社の人もそうだけど、そういう人たちって、自分が今やってることがその先どうなるのかっていうようなストーリを描くのが苦手なんだと思う。けど、具体的に「これ」をやってと明示したものは出来る。
だから他の人に言ったら馬鹿にすんな!って怒られるような「俺が作ってあんたに送る兼業依頼文に文書番号を加えたものをプリントアウトして決裁を済ませ、社印を管理している総務課のチェックを受けた後に社印を押した紙をください」みたいな説明が必要になる。
自分の受けてる説明がその後どう作用するのかが分からないから、何をやらなきゃいけないかの指示「だけ」が全行程分具体的に必要になる。で、指示されてない部分についてなぜそれをやらなきゃいけないのかを説明すると混乱する。

ただそういう人っているよなぁというだけで、特にオチとかはありません。

あ~けど、基本的には指示された仕事をする部下という立場ならまだしも、あの人も大卒なので10年とか20年後には誰かの上司になってるんだろうけど大丈夫かな。うちの会社は学歴が重要っぽいんでね。
資質的には本来「できない人」であっても、やり方次第で「できる人」っぽく教育して学歴を手に入れることって、ある程度なら出来ますからね。受験のコツとかね。

【補足】
DeepForestのはてなブックマークさんから進捗管理はしてましたか?というコメントをいただきましたが、直接の進捗管理はしてません。
それは俺がやるべきでなく、その担当者の上司である課長の仕事で、そのために課長にも事情を説明してます。
ただ仕事を渡したからといって、その案件を無防備に手放すわけにはいかないので、大学の担当者に「押印に手間取るかもしれないので、事前に案の確認をお願いします。後日送付する正式な依頼も内容はほとんど変わらないと思います」として、時間稼ぎ用にデータを送付してます。
そうじゃなきゃ一週間の遅れは取り戻せません。