金田んち

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「ぞうさん」が好きです。でも「マーニー」の方がもっと好きです。

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台風の影響で四国とかそこら辺りが凄い被害を受けているようで大変だなぁとニュースを見て感じたんですけど、俺の住む福岡はいつもより少し風が強いくらいで、大雨も降ることなくむしろ夏とは思えないくらいの涼しさを台風が残していってくれました。

さて、話は昨日(土曜日)のことです。

土曜は息子を保育園に迎えに行く役割を俺が担っています。昨日もいつものように保育園にお迎えに行きました。

平日は出勤している先生が多く、年齢別に分かれたそれぞれのクラスごとに遊んだりしているみたいなのですが、先生の少ない土曜日はみんなひとつの教室で一緒に遊んでいます。

特に小さな子供たちは、他人を傷つけるようなことが悪いことと分かってない子もいるようで、時には「それは傷害よ!」みたいな恐ろしい先生の叱る声も耳にします(子どもに傷害の意味が分かっているのかは分かりませんが)。反面、1歳児のうちの子を世話してくれて、保育園に迎えに来た俺の元に息子を連れてきてくれる年中さんか年長さんかの女の子のお世話好きな面を見ることもあります。

昨日は珍しく、俺が迎えに来た事を息子が一番に見つけ、自分で教室の引き戸をよいしょっと開き、下駄箱からお気に入りのアンパンマンの靴を自分で取り出し、俺の元へ駆け寄ってきました。それに気付いた先生が、息子の保育園用のバッグを持ってきて俺に手渡してくれました。

息子のバッグを受け取り靴を履かせ、先生にバイバイをさせて車へと向かう途中、息子は空を指差し「ちゅんちゅん、あーあー」と。

カラスが宙を舞いながら鳴いていました。

福岡には猛烈な台風の影響はほとんどなく、息子を迎えに行った昨日も水はけの悪い場所以外の地面は程よく湿っているような状態でした。

息子をチャイルドシートに座らせ、チャイルドシートのベルトを着け、俺は運転席に座り「帰ろうか」と言うと、うつむき加減で首を横に振り「じょーしゃん」と言う息子。

俺が迎えに行く時はいつからか恒例になった象を模った幼児用の小さな滑り台のある公園に連れて行けという合図なのです。

「よし、じゃあぞうさんに行く人!?」

「あ~い」

やる気のない返事ではあるものの、これが息子の最大限の意思表示。

「ぞうさん行こうかね♪」

と発車すると間もなく

「じょーしゃん、あっち」

これもまた『連れて行け』の合図。あっちと言って指す方向はデタラメでも、自分の行きたい方向とは別の方向に車を走らせようものならギャーギャーじたばた騒ぎ立てる始末。

自分の行きたい方向に車を走らせている時に見える周りの景色なんかを記憶しているんでしょうね。

目的地がもう間もなく、という距離になると、息子のテンションは急上昇。両手を天に万歳し「ひゃーーー!!じょーしゃん!」

駐車場に車を停め、息子を降ろし「行ってこい」と言って息子がまず向かうのはロデオみたいな遊具。(ぞうさんの滑り台じゃないんかい)

だいたい10分くらいそれで遊び、次に「あっち」と指差し駆け出して向かうのがトンネル式や急勾配のものやローラー式の滑り台が一体になった、小学生でも楽しめるようなアスレチックみたいな滑り台。

「おう、行くか?よーい、どん」と、息子と一緒に滑り台までかけっこをするのが毎回のお約束(じょーしゃんの滑り台は興味がない)。

そのアスレチック的な滑り台を3往復したくらいで「ふーん、ふーん」と何かを訴える息子。

「のどかわいた?お茶?」

と訊くもうつむき首を横に振る息子

「疲れた?帰る?」

と訊くと

「マーニー」

あぁ腹減ったのね。

腹が減ったというのは、息子がジブリのマーニーを食うというわけではなく、毎日嫁が味噌汁に入れてくれる玉ねぎが大好物であり、しかしまだ『たまねぎ』との発音が出来ないために我が家ではジブリ作のマーニーよりも前に、息子発「マーニー」が流行っていたのです。

「よし!じゃあ象さんにまたね言って帰ろうかね」

「うん!ばいばい」

両手を拡げ抱っこしろとの合図を送る息子を抱きかかえ、嫁と娘の待つ自宅へと帰るのでした。

遊びたいとの欲求はあっても、やっぱり空腹という欲求には負けてしまう。結局昨日は一度も象さんの滑り台を滑ることなく、マーニー欲しさにじょーしゃんを後にしました。